アイルランド&スペイン巡礼2017①ディングルからカミーノへ

ブログ更新ができないまま師走、そしてもうすぐ冬至。
外の華やかさとは対照的に心が内へ内へと向かうこの季節。
今年9月のライアー奏者ジョン・ビリング氏とのアイルランド巡業、
スペインでのソロライブ、そして2度目のサンティアゴ巡礼。
合間をみて、綴っていこうと思います。
(去年のアイルランド遠征は大晦日に投稿してました、、、
旧ブログの 蓮音日記

あわせて、なぜケルトの伝承歌を歌っているのか、
そして スペインのサンティアゴ巡礼へのきっかけも少し。
☆☆☆

2000年から在籍していたゴスペル・クワイア『Everlasting Joy』を辞め
ソロの歌い手として どう活動していこうか、とても悩んでいた時期。

沖縄が好きでよく旅をしていたのもあり 三線や島唄を習いはじめたものの、
沖縄民謡歌手を目指す気持ちは全くなく、、

沖縄ともなにか共通性を感じ、以前から惹かれていた、
アイルランドやスコットランドの伝統文化や音楽。
学生の頃はロックを歌っていたけど U2やシンリジィとかすごく好きで
アイリッシュ系のバンドには 何故か心震えるものを感じてた。

そしてタイミングが整い、憧れの彼の地、アイルランドに旅立ったのが2004年。

魂の故郷と感じるアイルランド南西部 ディングル半島。今でもケルト文化が色濃く残り
日常でもゲール語が話されている地域(ゲールタハト)のひとつ。

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またディングル半島には多くの史跡が。石を円形に積み重ねて作られた
蜂の巣型の小屋ビーハイブ・ハット(Beehives huts)は
古代のケルト人たちが作った要塞、そしてキリスト教伝来以降は
ケルト修道士たちの生活と祈りの場だったようです。

ガララス礼拝堂

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ケルト十字架はキリスト(十字)とケルト古来の信仰(円環)の融合のシンボル

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そしてある時ディングル街中で、ふと見かけた教会コンサートの看板。

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惹きつけられて、予約もしてなかったけど 飛び込んだ
鬱蒼とした木々やお墓に囲まれた、古い趣のある教会、St.James Church(聖ジェイムス教会)

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はじめて 現地で生で触れる ケルトの音楽。
Susan McKeown(スーザン・マッキュオン)の深みのある美しいアルトボイス、
アイルランドの打楽器 バウロンの振動が 心臓の鼓動みたいに伝わってくる。

どこか懐かしくて あたたかくて 切なくて、、
もう 全身全霊が揺さぶられて
やっぱり これだ・・・・!
心に決めた瞬間でした。

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この時は その10年位後に まさか自分がこの教会で歌っているとは、、
夢にも思いませんでした。
そして日本に帰国し セッションに参加したりして、しだいにアイルランド関係の仲間もできだし
アイリッシュ音楽ユニットに誘って頂き、ライブではケルト伝承歌を歌うようになっていきました。
その後もアイルランドに歌を学びに通うたびに、ディングル半島やリング・オブ・ケリーは
必ず訪れていました。
この教会コンサートのオーガナイザーであり ディングル在住の敬愛するミュージシャン
イーリアンパイプ&ローホイッスル奏者のEoin Duignan。
彼のその音色には なぜか日本を感じます。

そして話せば長くなるので割愛しますが 本当に不思議なご縁のシンクロニティが重なり、
Eoinが声をかけてくれて、この聖ジェームス教会で
オープニングアクトで初めて出演させてもらった2012年。

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この日のメインアクト ディングル在住のゲーリック・シンガー&フルート奏者の
Muireann Nic Amhlaoibh とギタリスト&シンガーのGerry O’ Beirne 素晴らしかった!楽屋にて。

 

そして今年、アイルランド在住、ライアー奏者のジョン・ビリング氏と初コンサート。

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超満員のお客様に拍手喝采いただき、感無量。。
12年前にふらっと訪れて遭遇したスーザン・マッキュオンのコンサート。
憧れの歌手が歌っていた そして大事な決心をもらえた この場所で
年月を経て、歌わせてもらうことができ
本当に感謝・・。

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ディングル在住の画家であり10年来の心友 Barbie Begleyと。

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そして また不思議なシンクロニティが。
実はスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへへの旅はここから始まりました。
かねてから パウロ・コエーリョの『星の巡礼』や映画を見て
サンティアゴ巡礼の道、カミーノを歩いてみたいと思っていた矢先、
この教会の楽屋として使われた部屋で 古ぼけたブリジットクロスの中の
帆立貝を見たとき、、 胸が熱くなりました。

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帆立貝はカミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼)のシンボル。
そして この教会の歴史的な資料発見。

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聖ジェームズ(St.James)とは キリストの十二使徒のひとり聖ヤコブ、
スペイン語名では聖サンティアゴ(St.Santiago)だったのでした。

この教会は昔 スペイン人たちによって建てられ
遠い昔、巡礼者たちは ここディングル半島からスペインの北西部コルーニャへと船で渡り
サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指した。

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あ、これは導かれていいる、、胸がドキドキしました。
そして去年2015年 はじめてのカミーノ巡礼。
(カミーノ旅日記にも また追々綴りたいと思います)

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そして このディングルには 中世の物語『聖ブレンダンの航海』でおなじみの
船乗りケルト修道仕ブレンダンが旅だった ブランドン入江(Brandon Creek)をはじめ
ブレンダンにちなんだ場所が たくさんあります。

ブレンダンが求めていった 西の海の彼方にある『神との約束の地』。
ケルトの神話の中にも登場する 『常若の国(ティルナ・ノグ)』と重なる。
そして 沖縄の土着信仰 海の向こうの神々の理想郷『ニライ・カナイ』も。。。

西へ西へと追いやられ、 ‛ここではない 何処かへ’
流浪を繰り返してきた 遠い昔のケルトの民や
布教のために 命がけの航海に出ていった
中世のケルト修道士たち

いにしえの彼等の ‛流浪’ の魂が
自分の奥深いところにある 何かと
共鳴しているのを 感じるのです。

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